
前回に引き続き感覚運動についてです。位置感覚運動の中でも「高さ」感覚を身につけることは、本能に逆らうことでもありとても難しいものです。大人でも「高所恐怖症」の方は沢山おられますが、哺乳類は本能的に高所に対して身の危険を感じます。「落ちてしまったら…」と考えてしまうと身体が強張り(足がすくみ)ますよね。これは本能的に危険から身を守っている行動なのです。
子どもが高さ感覚を身につけるには恐怖感を少しずつ克服する必要があります。低い高さから、少しずつ「これなら大丈夫」と思える高さに上げていきます。ジャングルジム、タイコ橋、梯子登りなど公園にある遊具に上り、少しずつ高所に慣れていきましょう。ポイントは限界と思える高さより少し低いところに上ること。恐怖心より達成感が上回るのを上手く利用しましょう。克服するカギの一つは「慣れ」です。
乳幼児の子どもにはスキンシップも兼ねておんぶや肩車をしてあげるたり、「高い高い」などの遊びもいいでしょう(ただし頭を揺さぶらないように)。子どもにとっても安心感があって高さへの恐怖が和らぎます。
初めてみる景色や視点の感激と爽快感を楽しく感じてもらえれば、自分から高所に登るようになります。2つ目のカギは「爽快感」です。
高所に登ることが平気になったら「ぶら下がる」「滑り降りる」「飛び降りる」などにも挑戦してみて下さい。大人にとっては大したことない高さでも、子どもはとんでもなく高く感じていますので無理強いは絶対しないで下さいね。
2015.6 くすのき瓦版 掲載 「子どもの元気はたからもの」より
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